◆研究会の概要◆

~~~第30回研究会 開催報告~~~

〇テーマ「パンデミックを超えて 市民が生み出す社会変革」(仮題)

〇講師:工藤律子さん(ジャーナリスト)

〇日時:2022年4月10日(日)14時~17時(Zoom開催)

〇講師プロフィール:
東京外国語大学修士課程在籍時からスペイン語圏やフィリピンを中心に、市民運動や貧困問題などの取材をはじめる。ボランティアで運営するNGO「ストリートチルドレンを考える会」の共同代表として、スタディツアーなどを実施している。『マラス—暴力に支配される少年たち』(集英社、2018年に集英社文庫化)で2016年、第14回開高健ノンフィクション賞受賞。今回のご報告に関連する著書として、『雇用なしで生きる——スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦』(岩波書店、2016年)、『つながりの経済を創る——スペイン発「もうひとつの世界」への道』(岩波書店、2020年)が、関連するImidasでの連載記事「変革への闘い」https://imidas.jp/latingangがある。

〇ご報告概要:
リーマンショックを機にスペインで15Mと呼ばれる市民運動が起きてから、11年経つ。ここ2年はパンデミックによる死者の急増と自由の制限という厳しい状況を経験しながらも、スペインの市民は、参加と対話とつながりで苦境を乗り越え、よりよい社会を創ろうとしてきました。その力の源と変革の現場を見直し、日本の現状と照らし合わせながら、私たちが目指すべき社会の姿をお話頂きました。

~~~第29回研究会 開催報告~~~

〇テーマ「六ケ所再処理工場は動くだろうか」(仮題)

〇講師:山田清彦さん(核燃サイクル阻止 1 万人訴訟原告団 事務局長)

〇日時:2022年2月27日(日)14時~17時

〇ご報告概要:
日本政府は原子力発電所で利用した後の使用済燃料を再処理してプルトニウムを利用する計画を進めていますが、多くの国民は再処理工場の建設状況には関心を持てないでいます。その費用は 40 年間の操業を含めて約 15 兆円ですが、建設費だけでも 4 兆円も掛かっています。その費用負担を支払うことを求められているのが私達国民ですが、多くの国民はその事実すら知らされていません。まだ操業していない今だから、再処理工場の危険性を正しく知るべきだし、それを未来の子どもたちに押しつけないために、どうすべきかを考える必要があると思います。

~~~第28回研究会 開催報告~~~

〇テーマ「3・11後の〝新しい社会“のつくり方」(仮題)

〇日時:2022年1月23日(日)14時~17時

〇講師:佐々木寛さん

〇講師プロフィール:
1966年香川県生まれ。新潟国際情報大学国際学部教授(政治学・平和学)。日本平和学会理事。「市民連合@新潟」および「新潟に新しいリーダーを誕生させる会」共同代表として、2016年以降の国政選挙や新潟県知事選挙で野党統一候補の擁立に貢献。一般社団法人「おらってにいがた市民エネルギー協議会」代表理事として、市民発電事業を通じた持続可能な地球社会の実現にも取り組む。単著に『市民政治の育てかた 新潟が吹かせたデモクラシーの風』(大月書店)、編著に『東アジア〈共生〉の条件』(世織書房)、共編著に『「3・11」後の平和学』(早稲田大学出版部)、『平和を考えるための100冊+α』(法律文化社)、『地方自治体の安全保障』(明石書店)、など、著作は多数にのぼる。

〇ご報告概要:
日本社会は、3・11を経験してから、原発問題や再生可能エネルギーの問題をはじめとして、さまざまな局面で変革が必要なのではないかと議論されてきた。しかし、こうした難しい課題ほど、賛成・反対の二項対立で捉えられてしまいやすく、変革がなかなか前に進まないという現実が存在する。
しかし実際には、様ざまな課題にかんして、イデオロギーのあるなしに関係なく、人びとの間には多様な意見が存在する。脱原発が必要だと感じる人が、各種世論調査でつねに6~7割に達しているのも、その証左といえるだろう。そうだとすると、難しい課題の変革を進めるに際して必要になってくるのは、イデオロギーの対立を超えて、未来のために議論を進めていくにはどうすればいいのか、という点の解明であろう。
 そこで、1月の研究会では、新潟県での選挙に際して市民連合の立場から取りまとめをされたり、「おらってにいがた市民エネルギー協議会」を立ち上げ、脱原発の社会へ向けた具体的な活動をされたりしている佐々木寛先生に、今後の日本社会で、あらゆる難題にかんし、意見の対立を超えてヘゲモニーを形成していくにはどういう視点が必要となってくるのか、お話しいただいた。

~~~第27回研究会 開催報告~~~

〇テーマ「あたたかい経済は可能である」

〇講師:金 宝藍さん

〇日時:2021年10月3日(日)14時~17時

〇講師プロフィール:
韓国・釜山市出身。東京大学大学院教育学研究科博士後期課程単位修得満期退学。明治大学・法政大学・日本体育大学などで兼任講師(社会教育・生涯学習)を経て松下政経塾に入塾。社会と人間の持続可能性の視点から、都市・国レベルでの対話と協力を通して、都市問題を解決し、真に豊かな共生都市の実現を目指す。現在、川崎市教育委員会社会教育委員 日本社会教育学会常任理事 韓国地方自治学会研究理事 政治革新フォーラムNow-Re共同代表。

〇ご報告概要:

~~~第26回研究会 開催報告~~~

〇テーマ「原発事故被害を広く見据えたい」

〇講師:大賀あや子氏

〇日時:2021年8月22日(日)14時~17時

〇講師プロフィール:
小金井市出身。1994年福島県浜通り地方に移住。311原発震災により大熊町から新潟県へ避難。「避難の権利」を求める全国避難者の会役員など。

〇ご報告概要:
東京電力福島第一原発の核惨事の始まりから10年。原発事故被害者の広範な救済を求める声は叶えられていません。避難指示区域、福島県内、関東東北近県等の人びとの被害の実相を、ご自身も避難者である大賀あや子さんが、縁あった方々から聴いた声、いただいた報告を基にお話しくださいました。