◆研究会の概要◆

~~~第35回研究会報告~~~

〇テーマ:原発事故後の「これから」を、共に生きるひとたちへ

〇講師:佐原真紀さん(ふくしま30年プロジェクト理事長、福島市議会議員)

〇報告概要:
原発事故から12年が過ぎ、小学生は原発事故後に生まれた世代となり、中学生、高校生でも事故の記憶が、ほとんど無いという状況になってきました。大人でも記憶が薄れていく中で、「終わったこと」もしくは「過去の出来事」というイメージも強くなっています。未だ収束を見ない原発事故の記憶、記録を次世代に伝えることができるのか? 第35回研究会は、このような前提から、原発事故後の「これから」を共に生きる人たちと「伝承」をキーワードに、佐原真紀さんにお話しいただき、活発な議論がなされました。

〇日時:5月28日(日)14:00〜17:00

〇会場:Zoom開催

~~~第34回研究会報告~~~

〇テーマ:「第三の寿都・神恵内は貴方の町かも~普通の住民が反対派と言われるようになって~」

〇講師:槌谷和幸さん(「子供たちに核のゴミのない寿都を!町民の会」)

〇報告概要:槌谷さんは北海道寿都町生まれで、退職後、寿都町でペンションメローhttps://pensionmellow.com/を経営なさっています。寿都町は上の写真にみられるように、とても自然の美しい街です。その寿都町が、美しい自然を破壊する高レベル放射性廃棄物最終処分場問題に揺れているのです。
槌谷さんは、2020年8月に新聞報道で寿都町が高レベル放射性廃棄物最終処分場選定調査に応募したことを知り、「寿都に核のゴミはいらない町民の会」http://kakugomi.no.coocan.jp/を立ち上げ、反対署名や住民投票署名、情報開示の裁判などの運動を展開されると同時に、反対派の市民を候補者として町長選や市議戦を戦われています。
今回のご報告ではこれらの活動の経緯について詳しくお話いただきます。
また、槌谷さんは町内会長を担われておられます。そのお話もしていただく予定です。
原発は人間の手に負えない放射性廃棄物を大量に生み出す発電方式です。そしてその廃棄物を過疎の地方に押しつけようとするのが、現在の日本の国策となっています。この問題はたんに一地域の問題ではなく、心ならずとはいえ原発で発電した電気を利用している私たち全員が考えるべき問題だと思います。皆様とおおいに議論できれば幸甚です。
また、岸田政権はGX(グリーントラスフォーメーション)と称して原発再稼働、新規原発建設の方針を国会での議論をすっ飛ばして決定しました。このような動きに反対し、脱原発運動を進める方途を探るために、今回のご報告は大変参考になると思います。

〇日時:2023年3月18日(土)14時~17時

〇会場:Zoom開催

〇案内チラシ:こちらをクリック

~~~第33回研究会開催報告~~~

〇テーマ「ドイツ緑の党の成立 市民運動から政党へ」

〇講師:中田潤先生(茨城大学人文学部教授)

〇日時:2022年12月10日(土)14時~17時

〇報告概要:今回の報告ではドイツ緑の党(1980年設立)の直接の前身となる「緑のリスト・環境保護」の成立過程について述べていく.その際に重点は,「ビュルガー・イニティアティーベ」と呼ばれる1970年代にドイツ各地で急速に成立してきた住民(市民)運動と政党組織の間にある連続性・断絶性の問題に置かれる.また都市内での日常生活を通して形成されていたミクロな次元での社会的ネットワークが,政治運動へと吸い上げられていくプロセスについても明らかにしてみたい.こうした事例が,報告者が理論的モデルとして設定する「協同主義的な市民社会」の構築を模索する試みの一つとして位置付けることが可能か,皆さんと考えてみたい.

~~~第32回研究会開催報告~~~

〇テーマ「新たな戦争状態に対応する新たな知、新たな運動」

〇講師:雨宮昭一さん(茨城大学名誉教授)

〇報告概要PDF:こちらをクリック

〇日時:2022年10月16日(日)14時~17時

〇会場:Zoom開催

〇感想:

~~~第31回研究会 開催報告~~~

〇テーマ「同調圧力を突破する行動力・哲学――原発製造の工場、朝鮮学校支援、 困窮者支援の現場での体験から」

〇講師:松野哲二さん(チマ・チョゴリ友の会代表・府中緊急派遣村共同代表)

〇講師より:
1973年に就職した東芝府中工場は日本の第1号原発が製造され、労使一体で原発が推進され、異論は排除される場所でした。その中で、原発反対のビラを配り、工場内の仲間を見つけました。
1999年には、日本での最大の弱い者いじめ、朝鮮学校への差別に声を挙げ、チマ・チョゴリ友の会を立ち上げました。
2009年に発足した府中緊急派遣村の活動では、2020年のコロナ禍の強烈な自粛ムードのなか、コロナ困りごと相談会を開催しました。この相談会は多摩地区9市に広がっています。
 人と違うことをすることがためらわれる今の社会の中で、どうすれば同調圧力を突破できるのか? 私自身の体験・考え、その背景にある、憲法に裏付けされた根拠などをお伝えしたいと考えています。

〇ご報告概要:
リーマンショックを機にスペインで15Mと呼ばれる市民運動が起きてから、11年経つ。ここ2年はパンデミックによる死者の急増と自由の制限という厳しい状況を経験しながらも、スペインの市民は、参加と対話とつながりで苦境を乗り越え、よりよい社会を創ろうとしてきた。その力の源と変革の現場を見直し、日本の現状と照らし合わせながら、私たちが目指すべき社会の姿を考える。

〇日時:2022年7月24日(日)14時~17時

〇会場:東京農工大学府中キャンパス第1講義棟16教室とZoomとのハイブリッド開催